最近頑張っている日本の自動車メーカーの一つにマツダがあげられる
マツダは、ロードスター、RX-7などの名車を輩出した企業だが
バブル崩壊後売上が伸び悩み、フォードの資本を受け入れるなど経営改善に努め今に至る。
さて、マツダは日本で一番技術的に優れているという人もいるほどであるが
なぜトヨタをはじめとする他者に溝を開けられてしまうのだろうか。
まずひとつはデザインが微妙、というのがある。
RX-7は美しいデザインだとよく評されるが、プレマシーやアクセラは
あのアルカイックスマイルというか、笑っているようなデザインがなかなか微妙だ。
無塗装のパーツ(黒い部分)がなんともチープでいただけない。
だがここ最近のマツダのラインナップはどうだろう
上の画像は新型アクセラであるが、CX-5、アクセラとともに
素直に「カッコイイ」と言えるデザインである。
同時にデザインコンセプトを共通にすることによって「マツダ」というブランドイメージの定着も図っている。
どうやら、マツダ車はヨーロッパでも結構売れているようで、BMW、アウディなどに見られるような
デザインコンセプトの統一は(あの笑顔の時から)意識をしているようだ。
ここで少し余談だが、この点にほぼ無頓着なのはトヨタ自動車だ。
トヨタのHPを見てもらえればわかるが、驚くほどたくさんのラインナップがあり、その「顔」たちも
実に様々だ。
これは、日本人ユーザーの多様性に対応しているからだが
トヨタの世界戦略ブランドLEXUSにおいてデザインコンセプトの統一が図られたのはほんの最近のように思う。
しかも、フロントグリルを変えるだけといった簡易的なものも含まれ、取ってつけた感は否めない。
しかし、トヨタはハイブリッド技術では世界トップクラスであり、今回マツダのアクセラにも
トヨタのハイブリッド技術が応用されているそうだ。
さらに、マツダ車の魅力はディーゼルエンジンとMTのラインナップがあることで
走りを重視したユーザーの声にもしっかり応えてくれる。
まぁ、問題がひとつ残るとすればやはり無塗装のプラスチックパーツである。
マツダの公式サイトのイメージ画像はボディ色がレッドのものが使用されており
レッドは黒との相性が良いために、プラスチックパーツも締まって見えるが
ボディ色がホワイトの場合、黒があまりにも強調されてしまい、商用車のように見えてしまう。
プラスチックパーツをもう少しボディの内側に埋め込むなどの工夫がほしい。
(トヨタのクルマは上手くバランスを取っているように思う)
ではデザインが改善された今、マツダのイメージはうなぎのぼりかというと、そんな気配をあまり感じない。
たしかに、CX-5やアテンザも町中に多くなってきたが
フルモデルチェンジした新型クラウンがかなり多く走っている現状を見ると
今ひとつ人気に火がついたとまでは言えないのではないか。
では何が問題か。
それはマツダのマーケティングに違いない。
要は、CMだ。
(だいたいこの話になるのだが)
あのCMに出ているニコニコした外国人は一体誰なんだ。
Be a Driverというフレーズをもっとうまく使えるような演出はなかったのか。
CMが軽くなってしまっている。
そしてなぜ、奥田民生なのか。
広島出身というのはわかるが、私はあまり奥田民生に垢抜けたイメージはない。
どちらかと言うと田舎臭い、泥臭いイメージのほうが強い。
(いい意味で)
これではマツダのクルマはいつまでたってもマニアックな乗り物から脱却できない。
CMにタレントを起用するカネがないのなら、音楽もスタジオミュージシャンか誰かに
それっぽいクラシックか何かの曲を作ってもらった方が、もっと落ち着いた雰囲気のCMに仕上がるのではないか。
昔からマツダはマーケティングがヘタクソだと言われていたようだが
いい車を作ってもこれではもったいない。
このCMも頑張っている感はあるが、微妙感が漂う。
安易にビートたけしと松嶋菜々子を使ったクラウンのCMにはない何かをこのCMは持っている(悪い意味で)
ナレーション?演出?
画面が明るすぎるのだろうか。
効果的にクルマを見せる、ということに失敗している気がしてならない。
マツダのクルマが市場において買い替え対象の選択肢の一つとして再発見される日は来るのだろうか。